
県内各所に複数のキャンパスを持つ九州大学。これまで、数回に渡ってキャンパス間を繋ぐ遠隔講義システムをESCが施工してきました。そして2009年春、過去の実績から改善を重ねて導入されたのが、遠隔講義システム「九州大学ビデオアーカイブ収録・配信システム」です。


これまで学内のキャンパス間を繋ぐシステムが中心でしたが、今回は東京・神戸の他大学及び海外3校を交えた最大6拠点での講義システムを構築しました。 正面に設置された2面のスクリーンには「接続先のカメラ映像」「パソコンやDVDなどソース機器を用いた教材資料」を任意に提示することができ、同時に高画質でのライブ配信が可能です。音声については、天井から高性能の集音マイクが吊り下がっていて、講義を行う先生の声はもちろん、室内全ての音声が集音され、遠隔地においても明瞭でリアルな音声での対話を可能としています。
高水準のテレビ会議システムとAVシステムが導入されていて、尚且つ、映像・音響・制御の整ったこの教室は、テレビ会議のモデル空間として企業系のお客様にも度々紹介させて頂いています。
営業所として自信を持って導入した、今回の遠隔講義システム。実際に利用されている先生にはどのように評価されているのでしょうか。今回のシステムはもちろん、これまでESCが学内に納めてきた遠隔講義システムのほとんどに深く携わって頂き、さまざまな意見を下さっている、岡本先生に教育現場が求める遠隔講義システムについて話を伺いました。
「遠隔講義を導入しようとした当初、通信速度に重点を置き、安定性の高いテレビ会議装置で行こうと決めました。しかし、テレビ会議設備は本来、企業での利用がほとんど、仕様についても教育現場には不向きな部分もあります。というのも、教育現場では、先生が用意する多種多様なコンテンツに対応している必要があり、また、講義は常に双方向であるため学生の質疑には的確な資料の提示が即座にできる環境が求められるからです。
そして何よりも大切なのは、講義の『臨場感』です。当然ながら、講義は同じ教室内で顔を合わせて行われるのが本来のあるべき姿です。それを遠隔講義で行おうとするのであれば、先生の顔・声・コンテンツを忠実に遠隔地に伝える必要があります。もちろん、講義をスムーズに行う為に、ユーザーフレンドリーな操作性と通信速度の安定は欠かせません。そういった点で、今回のタッチパネルを用いたシステムには概ね満足していますが、このようなシステムはまだまだ発展途上で、臨場感の追求はもちろん、あらゆる分野への発展のためにも、ハード的なテレビ会議装置により深く入り込んだソフトの開発も必要ではないでしょうか」
今回の取材で最も多く耳にした言葉が『臨場感』です。岡本先生がおっしゃるように、機器のスペックにシステムの上限が委ねられるのではなく、その垣根を超越したシステム構築、あるいはソフトの開発が、他には真似できないESCの「存在感のある技術」に繋がるのではないのでしょうか。
