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機器の熱中症にご用心

  • レポート/コラム

連日続いている猛暑日723日には国内観測史上で最高気温となる41.1℃を埼玉県熊谷市で記録し全国では熱中症で救急搬送される人が1週間で2万人を超えるという異常気象となりましたこまめな水分補給や休憩室内温度の管理外出時の日除けなどの熱中症対策が欠かせません

電子機器も人と同じように適切な動作環境(温度や湿度)があります高温での環境下で使用すると誤動作や故障などのトラブルが発生する可能性がありますまさに人で言う熱中症のようです

今回はそのような不具合を防止(熱対策)できるように機器の動作環境についての基本情報をまとめていきたいと思います

機器仕様と使用周囲温度

機器を使用する際の環境条件について実際に記載されている仕様表を基に具体的な例を見てみましょう以下にメーカーと機種がそれぞれ異なる仕様例を3つ記載します

  • DLPレーザープロジェクターの仕様例
    使用周囲温度:045 ℃ / 使用周囲湿度:1080 %(非結露)
  • ノートPCの仕様例
    環境条件 温度:535℃ / 湿度:2080%(結露しないこと)
  • デジタルオーディオミキサーの仕様例
    温度範囲 動作温度:1035℃ / 湿度 ※項目なし

 

メーカー・機種ごとに多少の違いがありますが使用周囲温度はおおよそ540℃の範囲内になっている機器が一般的に多いようです暑さだけでなく寒さや湿度にも注意が必要ということもわかります

温度の高い環境が及ぼす影響

では温度の高い環境で機器を使用した場合にどのような影響があるのでしょうか
ひとつはCPUの熱暴走などに代表される誤動作の発生ですまた抵抗値の変化により信号の誤差が大きくなることも懸念されます

「故障率が増える」「寿命が短くなる」といった影響もあります電解コンデンサなどの一部の電子部品の寿命は動作温度が10℃上がると半分になる(102倍則)と言われています56年は持つと思ったのに23年で故障してしまった…といったように想定よりも機器が早く故障してしまった場合温度の高い環境で使用し続けていたのが原因というケースも考えられます

温度が高くなるケースと対策

周囲の環境

夏場の室内は空調で冷房をかけていることがほとんどだと思いますので人がいる室内は比較的環境が良いと言えます注意しなくてはいけないのは人があまり出入りしない場所ですAVラック(機器収納架)などは人があまり出入りしない倉庫等に設置されることがよくありますが管理が行き届かなかったり節電を理由に空調が切られていたりすることがあります放熱ができるように空調(冷房や排気)を作動させましょう

プロジェクターなどのAV機器は天井に吊られて設置されるケースが多いですが熱は天井付近に溜まりやすい為注意が必要ですまた冷房を使用しなくなる秋口や暖房を使用する冬場は冷房を使用する夏場よりも環境が悪い可能性があります特に暖房使用時は機器の放熱への影響が大きく作用することが考えられますので空調の吹き出し口付近に機器を設置することは避けましょう

電子機器に限ったことではないですが直射日光は当たらないように避けましょう設置位置の都合でどうしても日差しが直接当たってしまいそうな場合はブラインドやカーテンなどで遮光をしましょう

操作卓などの什器の中は熱がこもりやすい為あらかじめ什器そのものに通気用の開口を確保したり可能な範囲で機器同士のスペースを空け分散して取り付けたりします扉がある什器の場合は扉を開けた状態にして設備を使用し放熱効果を得るなどの工夫もできます

機器の発熱

長時間機器を使用した場合は機器自体に熱が蓄積されてしまいます長時間使用した場合は一定時間機器の電源を切り熱を冷ますなど機器を休ませることも不具合を防止する対策となります

プロジェクターなどにある吸気フィルターは目詰まりしてしまうと機器内部の冷却が適切にされず温度異常が発生しますフィルターの定期的な交換清掃などのメンテナンスも心がけましょう

まとめ

  • 機器が設置されている部屋は適切な空調管理を行う
  • 冷房を使用しなくなる秋口や暖房を使用する冬場も注意
  • 空調の吹き出し口付近に機器は設置しない
  • 操作卓などの什器に機器を実装する時は通気性確保に配慮
  • 直射日光が当たらないようにブラインドやカーテンなどで遮光
  • 長時間使用した場合は一定時間機器を休ませる
  • フィルターの清掃など定期的なメンテナンスを行う

 

万が一機器の不具合が発生した際は発生時の天候や空調の設定機器電源を入れてどのくらいの時間が経過していたかなども記録しておくと後々の対策に役立つ場合があります

今年はとても長い夏となりそうです暑さに負けないよう体調管理に十分気を付けて過ごしてまいりましょう!

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