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『マーケティングWeek』で掴む!未来の顧客を惹きつける「映像」を核としたメディアの進化とAI活用術 

  • レポート/コラム

2025年6月18日(水)~20日(金)3日間、東京ビッグサイトにて開催された日本最大級のマーケティングに関する総合展示会 『第17回マーケティングWeek夏 2025』に参加しました。 近年、マーケティングの重要性が高まる中で、当社でもマーケティング室を新設し、日々お客様との対話の機会を創出しています。実際に展示会に参加してみると、そこには私たちの専門分野であるAVシステムとも密接に関わる「映像」や「AI」といったキーワードが、マーケティングのあらゆる場面で重要な要素として取り上げられていました。 

本レポートでは、本展示会の概要とNewsPicks編集長で現在はビジネスパーソンや学びを求める大人向けの映像メディアPIVOTを展開しているPIVOT株式会社CEO佐々木紀彦氏の「メディアの大変化とマーケティングのヒント」についての講演と、AIエージェントの教科書の著者であり、CX協会代表理事を務めるおざけんこと小澤健祐氏の講演に焦点を当てつつ、これからのマーケティングにおいて「映像」が果たす役割の重要性を織り交ぜながら、今後の業務に活かせるヒントを追っていこうと思います。 

なぜ今、「AI」そして「映像」なのか? 

『マーケティングWeek』は、企業が直面する多様なマーケティング課題の解決を支援するため、『販促EXPO』『Web・SNS活用EXPO』『営業支援EXPO』などの複数の専門展で構成されています。その中で来場者が自社の成長を加速させるための情報収集やパートナーシップ構築ができることも大きな意義となっています。 AIと人間の共創によるマーケティングの進化」を背景に、マルチエージェント型AIによる業務自動化やユーザー視点のコンテンツ設計、データドリブンな意思決定支援等、最新のソリューションが今回のトレンドとなっておりました。

マルチエージェント型AIとは、複数の人工知能エージェントが相互に協力・競争・交渉しながら、問題解決や意思決定を行うシステムのこと

デジタル化が進む現代において、企業が顧客と効果的にコミュニケーションを取る上で「映像」が果たす役割はますます重要性を増しており、このような背景を踏まえて、PIVOTの佐々木氏は「メディアの大変化とマーケティングのヒント」と題した講演で映像コンテンツの新たな可能性と、それがマーケティングにもたらす変革を強調しました。 

特にその中で気になったトピックは“企業ポッドキャストの台頭と「ビデオ付き」の優位性”です。映像コンテンツの変化と並行して、企業が自社の専門性を活かして情報を発信するポッドキャストの活用が急速に進んでおり、MicrosoftやNetflixといったグローバル企業も自社の専門分野に関するトーク番組を展開しています。

日本ではYouTubeの圧倒的な影響力から“「絵」が付帯するビデオポッドキャスト“の拡散力が極めて高く、視聴者の理解度や記憶への定着を深めています。パーソナリティの表情や動きが見えることで、より深い共感や親近感を醸成し、強力なエンゲージメントを築くことができます。映像コンテンツとプラットフォームの変化は、広告市場にも大きな影響を与えており、今後のマーケティング施策により重要なポイントとなっています。 

生成AIが変革するマーケティングの未来 

「おざけん」こと小澤健祐氏の講演では、生成AIがもたらすマーケティングの具体的な変革に焦点が当てられ、現在の生成AIトレンドは単なるAIの進化に留まらず、①AIが自律的に行動を実行するAIエージェントの進化、②汎用AIから特定分野の専門家となるドメイン特化型AIへのシフト、そして③AI自体の性能向上と効率化を図るモデルの強化、という3つの視点で語られました。 

小澤氏は、AI活用の鍵として「専門家AI」と「パーソナライズ」の重要性を強調。特定のデータ参照やユーザー履歴に基づくパーソナライズで、より高度なAI活用が可能になります。AIモデル自体も、マルチモーダル化やエッジデバイスでの動作による「省力化」、自ら思考を組み立てる「推論能力の強化」が進んでいます。 

中でも最も注目すべきは「AIエージェント」の進化。従来のAIが「頭脳」に過ぎなかったのに対し、AIエージェントは異なるソフトウェアやシステム同士が情報をやり取りするAPI連携などを通じて環境認識、情報処理、意思決定、そして行動の実行までを一貫して行うことが可能となっています。これにより、AIは単なる情報提供者ではなく、具体的なタスクを自律的に完了させる存在へと変化しています。

また、日本の「美意識」や「繊細さ」は、AIエージェント時代において大きな強みとなるとのことで、単なる効率化に留まらない、より人間的で質の高いAIエージェント創造において日本の感性は世界を牽引する可能性があり、さらなる発展が期待されます。

おわりに 

企業が顧客との関係を深め、マーケティングを成功させるためには、もはや旧来の手法だけでは不十分です。ビデオポッドキャストのような新しい映像フォーマットの活用、そしてAIエージェントによる業務の自動化と「知性」の仕組み化は、単なる効率化に留まらない、企業の競争力を高めるための不可欠な要素となりつつあると本展示会で感じました。 

日本の企業が持つ独自の強みである「美意識」や「繊細さ」をAIと融合させることで、世界に類を見ない高品質なサービスやプロダクトを生み出す可能性も示唆されています。この大きな変革期において、新たなテクノロジーとメディアの力を最大限に引き出し、未来のマーケティングを創造していくことが、今、私たちに求められています。次回の『第18回マーケティングweek 夏』は、2026年6月24日(水)~26日(金)@東京ビッグサイトにて開催予定です。 

第18回マーケティングweek -夏 2026-公式Webサイト

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