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電波法関連法令改正とワイヤレスマイクについて

  • レポート/コラム

電波法関連法令の改正に伴い国内で使われているワイヤレスマイクの一部が継続して利用できなくなるケースがあるようです一つは「特定ラジオマイクの周波数移行」もう一つは「新スプリアス規格への対応」に関連したものですいずれのケースも対象となるユーザーは少ないかもしれませんが知らぬ間に電波法違反とならないようにそれぞれの内容について詳細を確認していきましょう

特定ラジオマイクの周波数移行

日本国内で使用できるワイヤレスマイクは周波数帯によってAD型まで4つに分類されています「特定ラジオマイク」はそのうちA型ワイヤレスマイクにあたり使用するには無線局の免許を要しますA型は高音質で放送局やコンサートホール競技場などで多く利用されています一方「特定」ではないライジオマイクのBD型は免許が不要な為一般的に広く様々な施設で利用されています

今回周波数移行がされるのはA型」のワイヤレスマイクで今まで利用していた周波数帯域(770806MHz)が新しい周波数帯域(470710MHz710714MHz12401252MHz12521260MHz)へ移行となります2012725日から既に移行期間が始まっており現行のA型(770806MHz)の利用期限は状況により早まる場合もあるようですが基本的には2019331日までとなるようです

この周波数移行はスマートフォンなどのデータ通信量が急激に増えている状況から2010年頃より総務省が周波数帯域の検討再編を行ってきたという背景がありますまた円滑に移行を進めるべく新たに電波を使用する携帯電話事業者4社(NTTドコモKDDI沖縄セルラーソフトバンク)が201212月に700MHz利用推進協会を設立し利用者向けの相談窓口も担っています(協会ではこの周波数移行に関連してテレビ受信障害についても相談を受け付けています)

周波数の移行に伴いマイク本体やその受信機などを新しい周波数に対応した機器へ更新しなければいけませんがその費用については前述した携帯電話事業者4社にて負担すること(2019330日までに基本合意の締結が必要)になっています新しい機器の設置費や旧機器の撤去費なども含まれるようですので費用負担に関しては安心できるのではないでしょうかまた特定ラジオマイクの利用者(免許所有者)それぞれへ700MHz利用推進協会から順次連絡と訪問をして詳細を案内する方針となっているようです

 

新スプリアス規格への対応

スプリアスとは無線機器から発生する不必要な電波のことでその技術基準に関連した法令の改正が200512月にありました

“無線設備のスプリアス発射の強度の許容値に係る技術基準等の関係省令及び関係告示が改正され平成17121日から新たな許容値が適用されています(経過措置として平成341130日まで旧許容値の適用が可能となっています)”

出典元:総務省 無線設備のスプリアス発射の強度の許容値(201876日現在)
http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/spurious/

 

基本的には2005年の改正以降に販売された製品は各メーカーで新しい技術基準での認証を受けていますが改正前に旧技術基準で認証を受け販売されていた製品については経過措置に基づき20221130日までしか利用できないという内容です

B型ワイヤレスマイクやインカムなどの特定小電力無線機器の他PHSコードレス電話機などの特定無線設備も対象となるようです近年購入した製品であれば基本的には問題なくそのままご使用になれると思いますが10年以上前に購入した古い設備があるなど心当たりがある方は実機の品番認証番号などを確認頂くことをお勧めします現在メーカー各社のWebサイトでは該当品の一覧や確認方法が記載された資料が閲覧できるようですので下記サイトもご活用ください

 

旧スプリアス規格のワイヤレス機器に関するメーカー各社のお知らせ (201876日現在)
※各ページ内に該当品一覧がわかる資料のリンクがあります

まとめ

A型ワイヤレスマイクの周波数移行については前提として免許所有者へ協会からの連絡がありますのでその案内に沿って対応をすれば問題は少ないと思いますが各期限を超えて使用をした場合には電波法違反で罰則・罰金の対象になる可能性(電波法 第110条「一年以下の懲役又は100万円以下の罰金」108条の25年以下の懲役又は250万円以下の罰金」)もありますので念の為身の回りの設備を再確認してみてはいかがでしょうか

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