2019年6月19日~21日、東京ビッグサイト(青海展示棟)で『第10回 学校・教育 総合展』が開催されました。教育ITソリューションEXPO、学校・施設サービスEXPO、STEM教育EXPOの3展から構成される日本最大の教育分野総合展です。今年は東京ビッグサイトの別棟となる青海展示棟がメイン会場となった為、例年より出展社数が減ったようですが、会場内は大勢の来場者で賑わっていました。それでは、展示会場の一部ご紹介していきましょう。(EDIX 2018のレポートはこちら)
- アクティブラーニングを支援するスタンド(イトーキ)
- セミクローズ型ワークブース(オカムラ)
- プロジェクター投映対応ガラス製ホワイトボード(AGC)
- ポータブル型デジタルワイヤレスアンプ(パナソニック)
- コンピュータ周辺機器サプライメーカー(エレコム・バッファロー・サンワサプライ)
- マグネット付きコンパクト書画カメラ(エルモ社)
- おわりに
アクティブラーニングを支援するスタンド
(イトーキ)
少し変わったプロジェクタースタンドを展示していたのは、イトーキ(ITOKI)のブース。ICTを活用したアクティブラーニングの支援をする「ACTICT(アクティクト)」シリーズのラインナップの一つで、 2019年7~8月より順次発売される。このスタンドは、取り付けてある超短焦点プロジェクターの本体角度を変えることができるので、壁などの垂直方向とテーブル上などの平面の両方に映像を投映することが可能です。
その他、4~6人グループに最適な40インチ相当対応のディスプレイスタンドは、軽いフレーム形状で、扱いをしやすい印象を受けました。こちらと一緒に展示していたのが、プレゼンテーションツールの「iPort(アイポート)」。PCに接続した送信機のボタンを押すと、その端末の映像が無線経由で伝送できる製品で、以前より他のメーカーで取り扱いしている類似製品と同じような構成、機能という説明がわかりやすいかもしれません。その中でもiPortはソフトウェアレス(HDMI信号を伝送)するタイプのものでスマートフォンの画面についてもUSBポートへの(HDMI信号)接続で対応可能とのことでした。
セミクローズ型ワークブース
(オカムラ)
オカムラ(OKAMURA)のブースに展示されていたセミクローズ型のワークブース「SnowHut(スノーハット)」。オープンな空間の中に吸音パネルで遮蔽したスペースを設けることができ、ブースの中で集中した作業を行ったり電話やWebミーティングを行ったりする使用方法に適しています。実際にブースの中に入ると、遮音性が良く会場内の雑音も気にならない居心地の良さを感じました。
プロジェクター投映対応ガラス製ホワイトボード
(AGC)
ガラス製のホワイトボードスクリーン「Glascene White(グラシーン ホワイト)」を全面的に展示していたAGC(旧名・旭硝子)。ガラスならではの特性を活かしたホワイトボードマーカーでのなめらかな書き込みと、ホットスポットのできにくいマット調の加工がされた表面は、プロジェクタースクリーンとしての用途に対応しています。実際には一般的な生地タイプのスクリーンと比べるとホットスポットのようなギラっとした感覚は多少あったかもしれません。最大寸法は2400×1200mm、薄板のガラスの為、ガラスカッターを使って切断することもでき、壁面へは専用の両面テープで取り付けることも可能で、インテリアとしての意匠的な採用が見込めそうです。
ポータブル型デジタルワイヤレスアンプ
(パナソニック)
パナソニック(Panasonic)のブースでは、医療系学部のシミュレーション教室ソリューションとして医療向けのカメラ収録機器を展示していましたが、その他注目したいのは2019年4月に発売された1.9GHz帯デジタル ポータブルワイヤレスアンプ「WX-PS200」。3チャンネル分のチューナーを搭載しており、1.9GHz帯のデジタルワイヤレスマイクを3本使用できる他、有線マイク、ライン入力、SDカードやBluetoothによるオーディオ再生に対応しています。本体は約9㎏、大人一人で運べない重さではありませんが、キャスターとキャリーハンドルがついていて楽々移動ができます。その他にもマイクホルダーやカバーが付属するなど親切設計になっています。単2型10本での電池駆動やスピーカースタンドへの取付にも対応していて、学内での様々なシーンで活躍してくれそうです。
コンピュータ周辺機器サプライメーカー
(エレコム・バッファロー・サンワサプライ)
今回の展示会で目立っていたと感じたもののひとつに、サプライメーカー各社の出展がありました。その中から少し意外だなと思った展示をピックアップしてみたいと思います。
エレコム(ELECOM)は、Wi-FiやNASなどのストレージの他に監視カメラの展示をしていました。2017年3月に船井電機からDXアンテナの株式を取得し子会社化しており、DXアンテナの開発商品を取り入れたソリューションが今後も増えてきそうです。
バッファロー(BUFFALO)の展示ブースの一画にあったのは、同じメルコグループのシー・エフ・デー販売(CFD)が取り扱うドローン。教育の現場に何故ドローンなのか? その利用目的は、ロボットプログラミング学習でした。タブレット上のアプリで作ったロジックプログラム通りにドローンを飛行させることができます。実際に小学校への導入実績もあるそうです。ドローンに搭載されたカメラで動画も撮影でき、とても楽しい授業ができそうです。
サンワサプライは、他の2社と異なりICT向けのキャビネットやスタンドなどの什器をメインに展示していました。サンワサプライさんでも取り扱いがあるのかと目に留まったのは、デジタル顕微鏡と書画カメラ。光学ズーム最大500倍のデジタル顕微鏡「LPE-06BK」は、HDMI出力中は表示されませんが3.5インチのモニタが本体に付いていて、使い勝手がよさそうです。microSDカードに写真や動画を残すこともできます。尚、サンワサプライでは法人向けに検証機貸出サービス(https://www.sanwa.co.jp/support/rental/)を行っており、購入前に製品の評価ができます。
マグネット付きコンパクト書画カメラ
(エルモ社)
エルモ社(ELMO)のブースにいくと書画カメラらしきものが壁にくっついていました。可搬タイプの書画カメラ「MX-P2」は、現行品と少し仕様が違い底面にマグネットが仕込まれており、スチールパーティションなどにビタッと貼り付けることができます。MX-P2はHDMIでフルHD、USB接続で最大4Kでの出力が可能で、会場では「xSync(バイシンク)」を利用した遠隔授業の人物用カメラとしてデモンストレーションしていました。壁に書画カメラとは少し違和感がありますが、取り外して利用することもできますので、新しい使い方なのかもしれません。
尚、協働学習支援ソフトの「xSync」は、元々パイオニアグループの取扱い製品でしたが、2014年にブイキューブ、2018年からはエルモ社が事業を受け継ぎ販売をしています。
おわりに
「ICT、ICT」と盛り上がっていた数年前よりも、少し落ち着いた展示になってきたように感じました。より現場に即したソリューションに絞って各社が出展しているのかもしれません。
学校業務支援、eラーニングなど、ここでは紹介していない展示がまだまだ沢山あります。次回は、第3回 関西 学校・教育 総合展(EDIX関西)がインテックス大阪で2019年9月25日~27日、第11回 学校・教育 総合展(EDIX)が今回と同じ青海展示棟で2020年5月20日~22日まで開催予定となっています。