講義室のフラッグシップを目指して
- 2013年からスタートした講義室改修計画
- 200インチガラススクリーンを初めとした映像設備だけでなくハイクオリティな音響にも注目したい。
2015年4月、大阪学院大学にてESCは【02-B1-01~04教室】という4室の特色ある講義室改修に携わることができました。改修計画は2013年からスタートしており、映像、制御、音響、教室間の映像音響連携といった各設備を改修し、この4月ついにフラッグシップと呼ぶにふさわしい講義室の完成へと至りました。 今回の記事では盛りだくさんの設備のなかから、特に注目したいポイントについてご紹介いたします。
写真を見て最も目を惹くポイントは、煌々と輝く映像です。200インチガラススクリーン3面に投映される10600lm3台の映像はまさに圧巻。思わず「え、これ大型の液晶ディスプレイ?」と勘違いしてしまうレベルの明るさと鮮明さを実現しています。
さて、映像もさることながら02教室は音響にも注目です。写真では感動をお伝えできませんが、講義室のクオリティを遥かに超えた素晴らしい音圧と音色を実現しています。設計に際してはシミュレーションを行い最適な機種、員数、設置位置を導き出しています。選定機器はCommunity社のメインスピーカ3台、サブスピーカ8台、サブウーファ1台、シーリングスピーカ20台。Powersoft社のパワーアンプ、ClearOne社のデジタルミキサという構成で、特にパワーアンプはグラフィックイコライザ機能と750Wの出力を持つ非常にクオリティの高いモデルが導入されています。
設計担当の西村さんに個人的にアピールしたいポイントは?と尋ねると、メインスピーカを天井内の最適な位置に取り付けるために設計した特殊形状の金具が大変だったとのこと。他にも01、03、04教室のメインスピーカはベストポジションからの拡声を実現するため、なんと大型サウンドスクリーンの裏側に空中吊固定されています。決して表から見えない部分ですが、そうした妥協のない姿勢が最終的には単純な機器スペックだけでは生み出せない《+α》のクオリティとして表れているのではないでしょうか。
近年、映像技術の目覚ましい発展により講義室における音響設備はやや軽視される傾向にあります。しかし、心地良い音色による講義はスッと聴講者の耳に届き、より高い集中を促す理想的な講義スタイルの実現に繋がるのではないでしょうか。
細々と述べましたが兎にも角にも百聞は一見にしかず、もとい一聞にしかず?
小難しい理屈を抜きにしても、ぜひ一度体感していただきたいと感じる、そんな素晴らしい講義室となっています。