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コラム:東京2020 パブリックビューイング 基本ガイドラインについて

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コラム:東京2020 パブリックビューイング 基本ガイドラインについて

2019年7月末に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 パブリックビューイング 基本ガイドライン」が公表されました。パブリックビューイングを実施するには、申請等が必要になる為、そのルール等について概要をまとめた資料になります。今年1月に掲載したコラム(コラム:パブリックビューイングと著作権法、申請方法は?)の続編として、この基本ガイドラインの内容について確認していきたいと思います。

東京2020におけるパブリックビューイングとは

そもそもこのガイドラインで示すパブリックビューイングとは何を示すかという前提について、説明書きがあります。

"東京2020大会におけるパブリックビューイングとは、個人の住居以外の組織委員会が承認した場所で、大型映像装置・画面を設置して、一般公衆に向けて、東京2020大会の映像をライブ中継すること

~ 中略 ~

また、本パブリックビューイングは「無料」で実施しなければならず、有料での実施は禁止"


出典元:東京2020 パブリックビューイング 基本ガイドライン(2019年8月7日現在)
https://tokyo2020.org/jp/get-involved/livesite/public-viewing/

「大型映像装置・画面」とありますので、プロジェクターやLEDディスプレイ、マルチディスプレイなどの大型画面が基本対象になります。よほど大きいサイズでなければ家庭用のテレビを単品で使用する場合、対象外になる(申請不要)と考えてよいでしょう。

放送はライブ放送のみという条件もあります。録画したものや再放送、インターネット配信の映像は、上映不可となっています。また、民法の放送に限っては著作権上の理由から、スタジオ部分及びCMをカットする(画面を一時的に消す、PC等の画面に切り替えるなどの)必要があるそうです。

誰でも実施できるのか?

パブリックビューイングを実施できる主体者は、「非営利の団体・組織」に限られるとしています。よって、一般企業でのイベントや飲食店などの店舗内で実施することも通常できません。「非営利の団体・組織」の具体例としては、地方自治体の他、小学校や中学校、大学、商店街や町会、競技団体や体育協会、福祉施設などが挙げられています。
過去のオリンピックでは、著作権等の問題で認可体制が整わない中、パブリックビューイングを自粛せざるを得ないケースがありました(参考記事:【平昌五輪】学校や企業、PV自粛相次ぐ JOC「宣伝」懸念、成績公表にも制限 - 産経ニュース)。今回のこのガイドライン自体が、特に選手が在席又は出身である地域や学校、団体などでパブリックビューイングが実施できるように配慮して作成されたものというように受け取ることができます。

認可とその申請について

パブリックビューイングの実施を行うには、次の2つの組織へ申請を行い、承認される必要があります。

① 組織委員会
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会。東京2020大会の全ての著作権を保有しているIOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)に代わりパブリックビューイング等の管理をしています。

② 放送事業者
東京2020オリンピックはジャパンコンソーシアム(NHK及び民放連)、パラリンピックはNHKが放映権を保有しています。①の組織委員会で承認された後に、放送事業者へ申請を行います。
尚、NHKの放送については、予めNHK放送受信料を支払っている前提とし上映に関する費用については原則無料。ただし、民放の放送については、民法オリンピック事務局への制作協力費を支払う必要があります。

今後のスケジュール

今回の基本ガイドラインは、概要や指針等を説明している資料になっていますが、別途、詳細内容の公表が2020年1月頃に予定されています。組織委員会への申請は2020年4月以降で、放送事業者への申請については、放送番組の予定が決定されてからとなり未定の状況です。

まとめ

東京2020大会のパブリックビューイングの主な必要条件と禁止項目について、まとめます。

項目
主な必要条件 主な禁止項目
上映対象 ライブ放送
(民放番組は、スタジオ部分及びCM映像をカット)
録画映像
再放送
インターネット配信
主体者 非営利団体・組織 営利団体・組織及び個人
イベント参加料 無料 有料
その他 組織委員会及び放映権者への申請と承認
(民放番組は制作協力費が必要)
物販・飲食物提供
※家庭用テレビのみの使用、個人住居での実施についてはパブリックビューイングとしない(申請不要)

詳細内容の2020年1月に公表されると思いますので、その頃に組織委員会のWebサイトをチェックしましょう。

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